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日本ワインの特徴と魅力に迫る。美味しさと伝統の融合

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りえパンダ

日本のワインって美味しいのかな?

夫パンダ

今回は日本のワインについて解説します。日本のワインを少しでも好きになってもらえたら幸いです。

目次

日本のワインの歴史

日本のワイン造りは明治時代に始まりました。土屋龍憲氏と高野正誠氏という二人の青年がフランスでワイン造りを学び、国産初のワイン会社である「大日本山梨葡萄酒会社(現在のメルシャン)」を1877年に設立しました。その他にも1890年の川上善兵衛による新潟県「岩の原葡萄園」の開設や1891年に土屋竜憲による「マルキ葡萄酒」の設立など、全国各地でワイン用ブドウの栽培がおこなわれ始めました。

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上記のワイナリーはいずれも現存します。

1940年代半ばの太平洋戦争中は、戦時需要のために海軍がロッシェル塩の供給を求め、ワイン造りが奨励されました。戦後は強制的な増産の反動を受けワイン産業は低迷しましたが、1980年代後半のバブル期にはワイン市場が盛り上がり、バブル景気や外国産の低価格ワインの浸透によって、日本でワイン消費が拡大しました。

1990年代以降、健康への関心や赤ワインのポリフェノールに対する研究結果から、赤ワインの人気が高まりました。ワインの手軽な楽しみ方が広まり、小規模生産者やワイナリーの数も増加しました。日本ワインの品質向上への注力が進み、2000年代以降は高品質な日本ワインが生み出されるようになりました。

日本の主要なワイン品種

EUへのワイン輸出では、国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が認定するブドウ品種のみがラベルに表示される規定があります。日本のブドウ品種も例外ではありません。2010年には、甲州が最初にOIVのブドウ品種リストに登録され、その後、マスカット・ベーリーAと山幸も追加されました。これらは世界が認めた日本固有の品種とも言えます。

この規定により、日本のワインは国際的な評価を受け、その品種の特徴が明確に伝わることとなりました。

甲州

甲州は山梨県原産の日本固有のブドウ品種で、1,000年以上の歴史を誇ります。2010年には、日本固有の品種として初めてOIVに登録されました。この品種は糖度があまり高くならないため、穏やかな味わいのワインになりがちで、繊細な味わいの和食とも相性が良いことで知られています。香りは控えめで中立的であり、シトラスや丁子(クローヴ)のスパイスの香りが印象的です。近年では、甲州特有の渋味がワインに深みを与える要素として注目され、苦味や渋みを程よく感じられるよう、シュール・リー製法などで仕上げる生産者も増えています。

マスカットベリーA

マスカットベリーAは、日本の新潟県が原産地で、岩野原葡萄園の川上善兵衛氏がアメリカ系ブドウとヨーロッパ系ブドウを交配して作りました。日本の赤ワイン用品種として最も多く栽培されており、その半分は山梨県で生産されています。

ワインには、イチゴキャンディや綿菓子のような甘い香りがあり、さらに紅芋や春菊のようなニュアンスがアクセントとなっています。軽やかな果実味が主体で、柔らかい口当たりが魅力的です。

甲州に次いで2013年にOIVのリストに登録された、日本を代表する黒ブドウ品種です。

山幸(やまさち)

山幸は2020年にOIVに登録されました。北海道南東部の池田町にあるワイナリー、池田町ブドウ・ブドウ酒研究所によって開発された新しいぶどう品種です。池田町ブドウ・ブドウ酒研究所は、1963年に創業し、北海道で最も歴史の長いワイナリーです。

山幸は耐寒性と耐凍性に優れており、冬の枯死防止のための対策を必要としません。そのため、栽培農家の労力を軽減する有望な品種です。

山幸から造られたワインは酸味と渋みが穏やかで、口当たりが上品な印象です。

日本の主要なワイン産地

ワイン用のぶどう栽培には、昼夜の温度差が大きく、冷涼な気候が最適です。しかし、日本は昼夜の気温差が少なく湿度も高いため、一般的にはワイン造りには不向きとされています。ただし、特定の地域ではこれらの条件を満たし、ブドウ栽培が行われています。

日本のブドウ栽培において、ブドウ収穫量で最も多いのは山梨県です。次に長野県、山形県が続いています。これらの地域は、地理的な特性や気候条件が昼夜の温度差や冷涼さをもたらし、ワイン造りに適した環境を提供しています。

また、近年の世界的な温暖化の影響もあり、北海道でも冷涼地としてのワイン造りが注目を集めています。北海道は寒冷な気候と豊かな自然環境を備えており、クリアな酸味が特徴的なワインが生産されています。

山梨県

ワイン生産量は国内第1位です。

ワイン造りの発祥地でもあり、明治政府からもワイン生産が奨励されました。ワインの主要な産地は、本州のほぼ中央に位置する内陸県の山梨県で、甲府盆地が中心となっています。この地域は昼夜や季節ごとの気温差が大きく、日照時間も1200時間を超えるため、高品質なブドウが育ちます。特に勝沼周辺は降水量が非常に少ないのも特徴です。甲州やマスカットベリーAなど、日本固有のブドウ品種の生産量が多く、この2品種だけで山梨県の生産量の75%以上を占めています。

2013年には国税庁が山梨をワインの地理的表示として認定しました。これにより、日本で最初にワインのラベルに県名を表示することができるようになりました。山梨県はその地域の特産品であるワインに誇りを持っており、地域のブドウ栽培者やワイナリーは、品質の追求に努めながら素晴らしいワインを生み出しています。

長野県

ワイン生産量で国内第2位です。

ワイン造りに積極的な県で、2003年には日本で初めて原産地呼称管理制度を導入し、さらに2013年には「信州ワインバレー構想」として、桔梗ヶ原ワインバレー、千曲川ワインバレー、日本アルプスワインバレー、天竜川ワインバレーの4つの産地エリアを設定しました。

長野県は北アルプス、中央アルプス、南アルプスに囲まれた内陸地で、降水量が少なく気温の差が大きい環境です。これは果樹の栽培に非常に適しており、特に欧州や中東系のぶどう品種の栽培が盛んです。メルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなどの品種は、いずれも日本で最も生産されています。

信州ワインバレーは、美しい自然環境と理想的な気候条件が結びついており、ワイン愛好家にとって魅力的な地域です。長野県のワインは、その品質と個性によって高く評価されています。

山形県

ワイン生産量で国内第4位です。

山形県は、山梨県に遅れることわずか10数年後の明治中期にワイン醸造を始めた地域です。デラウェア品種の栽培面積は日本一です。2015年には「かみのやまワインの郷プロジェクト」が始まり、ワイン産地の発展を目指しました。そして、2016年には「かみのやまワイン特区」の認定を受けました。

日本海側は海洋性気候で、内陸側は盆地気候ですが、ワイナリーやブドウ畑は主に内陸部に集中しています。

地域の風土や気候を生かしたユニークなワインが作られており、その魅力はますます注目されています。

北海道

ワイン生産量で国内第3位です。

冷涼な気候を反映して、ドイツ系の白用品種の栽培が増えています。特に2000年以降、ワイナリーが急速に増え、活気にあふれたワイン産地となっています。小規模ワイナリーの自社畑率は本州に比べ高く、フランスのドメーヌといえるワイナリーが複数存在します。

2018年には、フランスのブルゴーニュ地方のドメーヌが函館でワイナリーを設立することを発表し、世界中の注目を浴びました。同年、国税庁は山梨県(2013年に指定)に続き、北海道を地理的表示として指定しました。

近年の地球規模の温暖化を背景に、冷涼な気候で豊かな自然環境に恵まれた北海道は、将来のワイン産地としてますます注目されることでしょう。

世界で認められた日本のワイン

デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA:Decanter World Wine Awards)は2004年から開催されている、世界でもっとも注目される国際的なワインコンクールのひとつです。

このコンクールは毎年15,000点以上のワインが出品され、世界最大かつ最も影響力のある国際ワインコンクールとして知られています。専門家だけでなく、消費者がワインを選ぶ際の重要な指標とされ、非常に信頼性の高いコンクールです。審査は厳正かつ公正に行われ、市場においても大きな影響力を持つと言われています。

このDWWAにおいて最高峰の賞であるプラチナ賞、最近ではいくつかの日本のワインがこの賞を受賞するという快挙を達成しています。ここでは、過去にDWWAプラチナ賞を受賞した日本ワイナリーを紹介します。

中央葡萄酒の「グレイス・エクストラ・ブリュット2011」

グレイスワイン(中央葡萄酒)は、山梨県勝沼町に1923年に創業したワイナリーです。初代当主の三澤長太郎氏が「長太郎印葡萄酒」を発売し、現在は5代目当主の三澤彩奈さんがワイナリーを管理しています。彼女はボルドー大学とステレンボッシュ大学院で学び、世界各地のワイナリーで経験を積みました。

「グレイス」の名前は、ギリシャ神話のThree Gracesに由来しており、その高貴な香りを引き出すために甲州種を大切に育てています。鳥居平地区や菱山地区、明野などで栽培されるブドウは高品質で、凝縮度が高く力強い酸とエレガントな果実味を持っています。

グレイスワインでは除草剤や化学肥料を使わず、自然と向き合いながら手作業で丁寧にブドウを育てています。甲州種の垣根栽培試験や高畝式栽培を導入し、個性豊かなワインを生み出しています。醸造においても補糖や補酸を行わず、ナチュラルなワイン造りを行っています。

グレイスワインは日本の風土と職人の手によって作り出されたクリーンな味わいと旨みを追求しています。

当ワイナリーおすすめワイン

サントリーワインインターナショナルの「登美の丘 甲州2017」

「サントリー登美の丘ワイナリー」は、山梨県に位置する日本有数のワイナリーです。美しい自然環境と最新の技術を組み合わせ、高品質なワインを生み出しています。豊富な品種のぶどうを栽培し、独自の醸造方法で丁寧に仕上げられたワインは、その風味と品質の高さで知られています。ワイナリー見学や試飲体験も可能で、ワイン愛好家や観光客にとって魅力的なスポットとなっています。サントリーの伝統と品質へのこだわりが詰まったワイナリーです。

当ワイナリーおすすめワイン

白百合醸造の「ロリアン勝沼甲州2019」

山梨県勝沼町にある白百合醸造は、昭和13年に創業された情熱にあふれるファミリーワイナリーです。現在は3代目の内田多加夫氏が経営しています。彼らは「L’ORIENT(ロリアン)」という名前のワインを製造しており、これはフランス語で「東洋」を意味し、ヨーロッパに匹敵する高水準のワイン作りを目指しています。このワイナリーは地元にこだわり、原料のブドウの栽培からワインの製造まで情熱を注いでいます。自社の畑では、山梨を代表する甲州やマスカットベーリーAなどの品種だけでなく、メルローやシャルドネなどの欧州品種も育てられています。勝沼の気候と風土に合わせて、最高品質のブドウを栽培し、世界に通用するワインを造るために日々努力しています。

当ワイナリーおすすめワイン

ルミエールの「光 甲州2018」

ルミエールは、1885年に設立された日本の老舗ワイナリーです。彼らは自然に近い環境でブドウ栽培を行い、生命力にあふれた力強く親しみやすいワインを作り出しています。ルミエールは国内外のコンクールで多数の受賞歴を誇り、品質にこだわり抜いたワイン造りを行っています。彼らのブドウ畑は、山梨県の特徴的な土壌条件に位置しており、高品質なブドウを育てます。自然に近い状態でのブドウ栽培を実践し、野生酵母による発酵を可能にしています。野性酵母で醸造されるワインは複雑な味わいであり、ふくよかさが特徴です。また、ルミエールは伝統的な石蔵発酵槽を所有しており、日本遺産にも認定されています。最新の技術も取り入れられた醸造設備によって、高品質なワインが製造されます。ルミエールのワインは生命力に満ちた力強さと親しみやすい味わいがあります。

当ワイナリーおすすめワイン

三和酒類の「安心院ワイン 諸矢 甲州 2021」

安心院葡萄酒工房は、大分県宇佐市にあるワイナリーです。1971年に三和酒類が果実酒製造免許を取得し、「アジムワイン」の生産を開始しました。2001年には安心院町にワイナリーを設立し、ブドウの栽培とワインの醸造を行っています。現在は15種類のブドウ品種を栽培し、自然とブドウの特徴が表れるワインを造っています。安心院葡萄酒工房は日本ワイナリーアワードで最高評価を受けるなど、高い評価を得ています。ワイナリーの工房長は古屋浩二氏で、米カリフォルニア大学デービス校で醸造学を学びました。彼らのワインは安心院の文化や風土を反映し、爽やかでリーズナブルな価格で楽しむことができます。特にスパークリングワインはシャンパーニュ製法で造られ、熟成感と豊かなアロマが魅力です。多くのコンクールで入賞し、日本を代表するスパークリングワインとして知られています。

当ワイナリーおすすめワイン

日本ワインのペアリングの楽しみ方

ワインの特徴と料理の味わいを考え、相性を探りましょう。白ワインは魚介やサラダに、赤ワインは肉料理に合います。甘口ワインはデザートと相性抜群です。

また、日本ワインは繊細でフルーティーなので、和食との相性も良いです。個々の好みや感性も重要で、自分の好きな組み合わせを見つけることが大切です。ワインの香りや味わいを料理と調和させることで、食事の楽しみが倍増します。ペアリングは実際に試しながら進めることで、自分なりの組み合わせを見つけることができます。日本ワインの多様性を活かしながら、料理との相性を楽しんでみましょう。新たな味覚の発見や、ワインとの相性の奥深さを探求する楽しみが待っています。

一例ですが、代表的な和食に合う日本ワインを紹介させていただきます。

天ぷらに合う日本ワイン

天ぷらには、軽やかな口当たりと豊かな果実味がある日本ワインが最適です。マリアージュしたワインは天ぷらの軽やかな風味を引き立ててくれます。

天ぷらに合うおすすめワイン

お寿司に合う日本ワイン

お寿司には、繊細な味わいとミネラル感が特徴の日本ワインが最適です。スパークリングワインも寿司と相性が良いです。

お寿司に合うおすすめワイン

肉じゃがに合う日本ワイン

果実の濃厚な風味と柔らかな口当たりの赤ワインが相性抜群です。ワインは肉じゃがの旨味を引き立ててくれるだけでなく、脂っこさを軽減してくれる特徴もあります。

肉じゃがに合うおすすめワイン

すき焼きに合う日本ワイン

力強い味わいと柔らかな口当たりの赤ワインがおすすめです。マリアージュしたワインはすき焼きの深い味わいと相性が良く、肉の旨味を引き立ててくれます。

すき焼きに合うおすすめワイン

終わりに

今回は、日本ワインについてご紹介しました。日本ワインの魅力を少しでも感じていただければ嬉しいです。日本ワインの奥深さや多様性はまだまだたくさんあります。ぜひ、自分自身の舌で探求してみてください。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

ワインを飲む量は年間350本。
IT系会社勤務、ワインを学び続ける2児のパパ。
【保有資格】
・日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
・日本ソムリエ協会認定ワイン検定講師

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