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【ワインができるまで】ぶどう畑の一年をのぞいてみよう!
ワインに興味を持ち始めると、「ワイン用のぶどうってどうやって作られているんだろう?」という疑問が湧いてくるのではないでしょうか?
今回の記事では、いつ、何が行われているのか、ぶどう畑の一年をのぞいてみましょう。
また、筆者はマーガレット・リバーのぶどう畑で実際にピッキング(実の収穫)とプルーニング(枝の剪定)をしていました。
その時の体験談や、ここだけの裏話なんかも含めてご紹介しますので、ぶどう畑での仕事をより身近に感じていただけるのではないかと思います。
それでは、どうぞ!
目次
休眠期(AUS:5月~9月、日本:11月~3月)
ぶどうは収穫が終わると葉が落ち、「休眠期」に入ります。
この時期のぶどう農家の主な仕事は「剪定(せんてい)」。
「剪定」とは、樹と畑のバランスを考えて余分な枝を切り込む作業のことです。
ぶどうは、放っておくとどこまでも枝が伸びていくため、人の手で矯正してあげなければなりません。
枝が多すぎると樹に負担がかかったり、全体に養分が行き渡らなくなり品質が落ちてしまったりします。
それらを防ぐために行われるのが、「剪定」なのです。
その年のぶどうの品質が決まるので、剪定はぶどう栽培において極めて重要な役割を担っています。
ごちゃごちゃと混み合っていた枝が、剪定後には1~3本程度になり、まるで散髪されたかのようにスッキリした見た目に。
ここから枝を短く整理し、見た目をスッキリさせます。
【裏話】
①広大なオーストラリアは、畑も広い!
1列が1km以上あるところもあり、飽きないように音楽を聞きながら作業をしていました。
②電動ハサミを使い続けるのは意外と大変。特に、手の小さい女性には負担になります。
私を含めチームメイトたちの何人かは「ばね指」になり、仕事を休まないといけないこともありました。
③作業中に、羊の大群に遭遇したことも!
発芽、成長(AUS:9月~10月、日本:3月~4月)
気温が上がり春を迎えると、剪定で残した枝からぶどうの新芽が出ます。
芽が出た後の成長スピードは凄まじいものです。
枝がグングン伸び、葉もついてきたと思ったらあっという間に緑豊かなぶどう畑に。
この時期は枝をワイヤーに固定する「誘引」と呼ばれる作業を進めます。
水平に張ったワイヤーに沿うように枝を曲げ、留めていくシンプルな作業です。
しかし、誘引をしなければ枝がジャングルのように生い茂り、日光がまんべんなく当たらなくなる・湿気が発生し病気の原因になる、などの状態になってしまいます。
開花、結実(AUS:11月~12月、日本:5月~6月)
発芽からおよそ70日で、開花時期を迎えます。
ところで、ぶどうの花って見たことがありますか?
普通に生活していると見る機会はまずないでしょう。
それもそのはず。
ぶどうの花は、白く小さなつぶつぶが集まったような見た目をしているため、花だと認識しにくいのが特徴なのです。
そして、開花期間は数日~1週間ほど。
このわずかな間にきちんと受粉すればぶどうの実ができます。
無事に受粉を終えると、6~8週間ほどかけて実が大きく成長していきます。
と言っても、この時期のぶどうの実は緑色でとても硬く、食べられませんのであしからず。
形はもう立派なぶどうです。
また、新緑のとても気持ちのいい頃なので、ワイナリーツアーに参加されるのもいいでしょう。
初夏の風を感じながら青々と茂ったぶどう畑を眺めれば、すがすがしい気分になれますよ。
着色、成熟(AUS:1月~3月、日本:7月~9月)
夏が本番を迎える頃、ぶどうの実には色がつき始めます。
この着色のことをワイン用語では「ヴェレゾン」と言い、白ワイン用の白ぶどうは透明感を増し、赤ワイン用の黒ぶどうは日に日に赤みを帯びてきます。
着色が終わると、除葉や果実の間引き、伸びすぎた枝のカットなど、状況に応じた作業が行われます。
「直射日光にさらさないようにしよう」、「いやいや、もっと日光に当てるために葉を取り除こう」、「湿気でカビが生えないように実を間引かないと」など、作業内容はワイナリーごとに千差万別。
ちなみにオーストラリアでは、カンガルーからぶどうを守るためにネットをかけていました。
さあ、ここまで来ればあとはもう、糖度などの熟成を待つのみです!
【裏話】
間引いたぶどうの実は捨てられる運命にあるので、仕事をしながらみんなよく食べていました(笑)。
ワイン用のぶどうでも、とても甘くてみずみずしく、感動したのを覚えています。
収穫期(AUS:3月~4月、日本:9月~10月)
いよいよ、手塩にかけて育ててきたぶどうたちの収穫です!
糖度を測ったり試食してみたりして、生産者が「ここだ!」と判断を下したら一斉に収穫開始!
ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネなどの白ぶどうが先に、メルローやカベルネ・ソーヴィニョンなどの黒ぶどうが後に収穫されるのが一般的です。
収穫方法には手摘みと機械収穫の2種類があり、プレミアムワイン用のぶどうの多くは手摘みで収穫されています。
こうして、無事に収穫されたぶどうは醸造所へと運ばれ、いよいよワイン仕込みへ。
そして、収穫後は葉が落ち、再び休眠期へと戻っていくのです……
【裏話】
①お給料は歩合制とあって、収穫するぶどうの実をめぐっての争奪戦が毎日繰り広げられていました。走って次の列に移動する人もいたほどです(笑)。
また、収穫スピードが尋常ではない日本人がいて、終始「NINJA!」と呼ばれ尊敬されていました。
②収穫は早朝の涼しいうちに一気に行なわれます。
朝4時集合、午前中で仕事が終わるのが普通なので、「超」早寝早起きの健康的な生活を送っていました(笑)。
まとめ
ワイン一本をつくるのに、ぶどう1kgほどの果汁が必要になると言われています。
仕事を体験したときは、ワインができるまでに多くの時間と労力がかかっていることを知り、その流れの一部に加われたことがとても感慨深かったです。
みなさんが普段口にするワインも、たくさんの人の手と想いが込められて出来ているのです。
そんなことを考えながら飲むワインは、また格別な味がするでしょうね。
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