イタリアの銘醸地トスカーナ州のワインの魅力

2022年8月29日2024年2月18日

世界一のワイン生産量を誇るイタリア。20州全土でワインが造られています。そのなかでも銘醸地といわれているトスカーナ州の代表的な産地とワインをご紹介します。

トスカーナのワイン

トスカーナは、イタリアのほぼ中央に位置する州で、州都はルネッサンスの街フィレンツェ。トスカーナでは、紀元前のエトルリア時代からワインが造られていて、ワインの歴史は事欠くことはありません。

トスカーナは地中海性気候で、ブドウの栽培に適しています。伝統的な産地から革新的な新しい産地まで、トスカーナ内でも銘醸地が複数あります。特に赤ワインは、トスカーナの太陽の恩恵を受けたボリューム感のある明るい味わいで、それがなんといってもトスカーナワインの魅力です。

イタリアワインの代表格キャンティとキャンティ・クラシコ

「キャンティ」は、世界で最も名が知られているイタリアワインともいわれるほどのイタリアを代表する赤ワインです。「キャンティ」と総称されるこのワインには、キャンティとキャンティ・クラシコふたつの異なるDOCG（統制保証原産地呼称）があります。クラシコとは「伝統的な」という意味で、キャンティ・クラシコはその名の通り歴史のあるエリアで造られます。1716年、トスカーナ大公コジモ3世が、フィレンツェとその南にあるシエナのあいだをキャンティと定めました。その後、その周りでもキャンティと名乗るワインが生産され始めたため、もともとのキャンティの地域がキャンティ・クラシコ、拡張した地域がキャンティと定められ、それぞれ別のワインとなったのです。現在のキャンティの地域は、キャンティ・クラシコ周辺のほか、斜塔で有名なピサの周辺までも含み、広範囲にわたります。

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キャンティとキャンティ・クラシコはサンジョヴェーゼ主体で造られるワイン。サンジョヴェーゼはイタリアで一番栽培されている黒ブドウ品種で、酸とタンニンがはっきりと感じられるのが特徴です。ストラクチャーに優れたブドウ品種で、熟成具合によって味わいもかなり異なります。一般的な共通点は、スミレのような香りと、ベリー系の果実のアロマが感じられることです。

キャンティは概してチャーミングな果実味を感じる味わいで、キャンティ・クラシコはより熟したなめらかな味わいです。産地が広いため、ひとことにキャンティ、キャンティ・クラシコといってもテイストはさまざま。いろいろなキャンティ、キャンティ・クラシコを試して、お気に入りの地区を探すのもおもしろいところです。

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歴史を感じるモンテプルチアーノ

モンテプルチアーノは、シエナの南東に位置する中世そのままの街で、その周辺では、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノが造られています。ノービレとは「高貴な」という意味で、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、17世紀にはワインの王とも呼ばれていた赤ワインです。街の地下には、中世から続く蔵がいくつも残っていて、まさに歴史を感じさせてくれるワイン。

このワインもサンジョヴェーゼ（この地方ではプルニョーロ・ジェンティーレという）主体。口あたりがやさしく、エレガントな味わいです。

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偉大な産地モンタルチーノ

モンタルチーノといえば、世界に名を馳せるブルネッロ・ディ・モンタルチーノの産地。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはイタリアで最も偉大な赤ワインのひとつですが、その歴史は浅く、DOCGに昇格したのは1980年です。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、サンジョヴェーゼの亜種であるサンジョヴェーゼ・グロッソ100%で造られ、収穫年から5年後にリリースされるワイン。長い熟成を経たブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、果実の凝縮感があり、優美でまろやかな味わいです。

神が接吻をした場所といわれているモンタルチーノは、息をのむほど美しい風景が広がり、そこで造られている産物ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはこの地の尊さを感じることができるスケールの大きいワインです。

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スーパータスカンの聖地ボルゲリ

ボルゲリは、フィレンツェから130キロほど離れた海岸地域。ボルゲリが銘醸地となったのは、サッシカイアがきっかけでした。サッシカイアとは、フランス品種であるカベルネを使用した赤ワインで、1968年がファーストヴィンテージですが、当時あてはまる原産地呼称がなかったためテーブルワインのカテゴリーでした。それにもかかわらずサッシカイアは、世界中の注目をあびて一躍大スターになったのです。ワイン法の定義にとらわれず、おいしさを追求したこのワインは、スーパータスカンと呼ばれるようになりました。サッシカイアに続き数多くのスーパータスカンが誕生し、ボルゲリ以外の地方でも造られるようになりましたが、ボルゲリはスーパータスカンの聖地なのです。